中国の浸透膜

中国のIT系サービスの進化がめまぐるしい。

タクシーの運転手は、自分たちの国の国民は能力は他に劣らないが、なんでも中途半端に済ませてしまうことが最大の欠点だと、嘆いてた。

おそらくめんどくさがりなんだと思うが、その国民性のおかげか、すごい勢いで自動化、オンライン化を導入している。

おそらく便利なサービスはその便利さを裏返せばセキュリティが甘かったり、知らないうちに動静がトレースされていたりしているだろうが、それまた管理体制の免疫のあるの中国と相性がいいのかもしれない。

新しい技術が超えなければいけない既得権益が日本に比べて遥かに小さいというのももちろんひとつの理由だとおもう。既得権益があっても政府の方針で強引に突破できる。それが中国の強みであることを実感した。またライバルは政府が排除してくれる。googleのサービスは中国で全く使えない(大変困りましたが)。おかげて様々なサービスが中国独自に進化を遂げている。日本にももうすぐ進出する自動配車アプリ、wechatでの支払い、道端の貸自転車サービスなどなど。EV車じゃないとナンバープレートがおりにくくなった北京ではテスラなどの電気自動車がけっこう見かけた。環境改善と技術転換を図った強引な政策が功を奏した格好だ。

もっとも驚いたのが、串焼きマシーンまで自動化されていて、しかもなかなかおもしろい設計だった。

串の根本についている金具が歯車状になっていて、スライドする排煙ガラリに歯車が丁度嵌まるようになっていて、自動スライドに合わせて串が回転するのだ。

使い勝手がよければすごい勢いで普及するものである。道端の露天含め、Wechatで支払えない店は殆どなかった。財布無しで携帯だけで出かけても困らないかもしれない。同年代のひとはタクシーなどもう使わず、車の手配はひたすら配車アプリ 滴滴出行 だった。アプリなど使ってみた感じだと使い勝手がとてもいい。無駄がなく、ざっくりとしていて明快、という印象だった。

 

中国はそとの良い技術を受け入れて不必要な情報を遮断する面白い状況を形成している。いわばグローバル化の世界の中で浸透膜を作って自分のワールドを作っている。中国のスケールではそれはもうひとつのグローバルと呼んでいいかもしれない。そんなパラレルワールドを行き来できる存在で有り続けたい。

 

 

 

 

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