スイデンテラス

坂茂さん設計のスイデンテラスに泊まってきました。

遠かったのでなかなか行く機会がなかったのですが、今回は道中に福島の沼沢湖で一泊キャンプして、立ち寄りました。ちなみに沼沢湖は湖水浴ができるので個人的にかなりおすすめ。

テーマが水田ということもあり、素材はラフで簡素なものを多用していましたが、ディテールは手を抜くことなく、リラックスする美しい空間となっていました。

素材は細胞で考えると、その細胞の強さやサイズにとって自然な大きさの集まりがあり、つまり素材ごとにふさわしい大きさというものがある。ここのインテリアは、その大原則に逆らうことなく、自然素材をその物性に相応しい使い方を使うことで、素材ごとにオーバースケールになることもなく、結果的に居心地のいい空間を作りあげているのかと感じました。

豊島、小豆島

瀬戸内芸術祭2022がちょうど会期中なので、出張ついでに島を巡ってみることに。直島はむかし寄ったことがあるので、今回は豊島、小豆島に立ち寄ってみることにしました。

まずは有名な豊島美術館。雨予報のこともあり、雨の日はなかからどう見えるだろうかと興味があったのですが、天気予報が外れすっかり晴れて、写真でよく見るような豊島美術館を実際体験することになりました。唐櫃港からそれほど遠くなく、ほかのアート作品を巡る時間もなさそうなため、美術館へは徒歩でアクセスしました。(15分くらいですが、炎天下と坂でしんどかった。)

水玉のような形状をしていますが、建物のなかに入ると、全体がRCでできているためひんやりとして冷たく、とくにRCの床に寝そべると全身の熱を吸収されるような感じで、まるで水玉のなかに閉じ込められたような不思議な空間でした。

みんなマナーがよくて、喋ったり(反響するからよろしくない)写真撮ったり(禁止されている)ひとがいないことに感心しました。

続いて小豆島の竹を編んだドームを目指しました。何年か前に企画した竹のバーを思い出しました。(規模はこちらのほうが全然大きいですが。)床は丸竹を平ビスでとめた程度のラフなつくりですが、来る人は足裏マッサージ感覚で楽しんでいたようです。

途中で寄った、能舞台として使われているという建物。茅葺き屋根のバランスが独特。

小豆島や豊島は、コロナ禍にもかかわらず海外の方が目立ちました。みんな最初はアートを目指して島を回るのですが、島の昔からある家々、海を背にポツンと建つ工場、味のある店の看板のほうがむしろアートなのではないかと途中で感じるような気がします。わたしもそのようにかんじました。

とある音楽マンション

名古屋で友人の竣工したマンションがあるので見学しに行った。

まず印象的なのが外観。インナーバルコニーの穴から跳ね出しのバルコニーが突き出すという二重の構造になっていて、なかなかみたことがない。各住戸のバルコニーのずれに加え、この二重構造が外観により自由度を与えている印象。遮音性を確保した音楽マンションということで、どこか音符のような躍動感を感じた。

表に出しているサッシがないため、マンションらしくない外観に仕上がっているのも印象的だった。遮音性を高めるという制約をデザインに活かしているということか。

中は吹き抜けを中心に、一階はテナントと音楽スタジオ(イベント時はオープンに繋がる構造)、2階より上は各部屋が外廊下を挟んで配置されている。ガラスブロックとサインの一体感あるデザインもよかった。部屋の既製品の扉は少し浮いているように見えたが、コストが厳しい昨今、自分のプロジェクトもよく陥りがちな問題の為、悩ましいところである。

江の浦測候所

杉本博司の江の浦測候所を見学した。

長い歴史が宿るモノは、価値があるからこそ残されているということを考えれば、それ自体が美しいことの証明になるかもしれない。
それとともに、それぞれのモノには物語があって、建築はそれぞれのもののストーリーから派生したつなぎとして機能している。
だから建築とモノの区別があいまいであり、渾然一体となって美しい。建築はシャープで重厚、という印象を受けた。風景を切り取るフレームとしての建築は、ミニマムに存在するが、
別の角度に回ると、それは大地に根ざした量感のある物質としてしっかり存在している。
細部も、総じて先端はきれいに細くカットされているが、膨らみや断面形状から、重厚な印象を与えるディテールになっていた。
歴史とはそういう重みかもしれない、と考えさせられた。

冬至の日に、太陽の光が100mのコールテン鋼のトンネルを射抜き石群にあたり、平行に太陽の昇る 方向に向けて並べられたガラス片の小口がいっせいに輝く瞬間をぜひとも見てみたくなった。

因島 春

3日間因島に出張で滞在した。

因島の春は気持ちいい。穏やかな海のパノラマビューが広がり、時間がゆったり流れている。

ところどころの民家は土壁が崩れ、屋根瓦は欠け落ち、島の風景に還元しようとしている。リノベーションは建物を時間の流れから掬いだし、束の間解放させつつ、またそっとその流れの中に戻していく作業だ。建物はこの時間の流れの中でこそ呼吸し、生き生きとするように見える。

松山から因島への道中、ガソリン切れに遭う。最寄りのガソリンスタンドまでまだ4kmくらいあったので、人生初めてのヒッチハイク敢行か、と思った矢先、親切なトラックのおじさんが止まってくれて、なんと最寄りのガソリンスタンドまでガソリンを購入して来てくれて難を無事切り抜ける。地元のやさしさに触れた。

滞在中はまとめて業者打ち合わせ。因島からフェリーで渡れる佐島にある、古民家ゲストハウス 汐見の家を、見学を兼ねて一泊。尾道市内の有名な宿アナゴノネドコも見学させていただく。大山神社にお参りもし、いろいろと充実した。

地元の食堂は安くてうまい。因島は火曜日お休みの飲食店が多い。因島のソールフードであるお好み焼き(いんのこ)はまた今度のお楽しみ。

 

武蔵野の森総合スポーツプラザ

武蔵野の森総合スポーツプラザが完成したので、関わったいう知り合いと見学。

設計は日本設計。

巨大なシェル型の庇に孔が開けられていて、重厚さと開放感を両立している。

 

メインアリーナ、サブアリーナ、プール棟の三棟に別れ、

メインアリーナは黒、サブアリーナはグレー、プール棟は白をキーカラーとしている印象。

躯体は基本打放しコンクリート、上部鉄骨部は全体は金属系ルーバー、メッシュを用いて化粧を施し、手摺などの焼付け塗装や亜鉛メッキという、モノトーンだが素材感を感じさせるデザインだった。

地中熱利用、プール水再利用など、ありそうでなかなか見れない施設だった。太陽光、太陽熱もこういう公共施設では外せない要素のようだ。

プールなど開放していて体験できたが、気づいたら時間切れで行けず、心残りだった。