傾斜地に建つ住宅の新築

計画中の共同住宅の敷地における既存住宅の解体がいよいよ終わりが見えてきた。もともとは傾斜地に木造の一戸建が建っていた。

傾斜地に建つ一戸建の解体、新築はハードルが高い。

大体RCで地盤を持ち上げて(駐車場にするなど)、上に木造の住宅を建てるケースが多い。人工地盤として作らずに建築と一体で作った場合は基本上物と一緒に撤去しないと新築ができない。(人工地盤とするには、地盤の上に所定の厚みの盛り土をする等基準がある。)

解体されたRCは鉄筋を外されて砕かれ、道路の底盤やRCの再生骨材として再利用されるが、再生コストは高くつくと思われる。

資源がますます限られる昨今、下のRC部を撤去せずとも上物だけの新築ができないものか、と思うのである。

省エネ計算

省エネルギー計画の適合義務、届出義務、説明義務が施行されてから、個人邸や共同住宅の省エネ計算をする機会が増えた。

学校でこの分野の授業を持っていることもあり、できるだけ外注せずに、自分で行ってきた。

先日、都内の共同住宅(300平米超の共同住宅につき届出義務)を役所に届け出をし、受理されたのだが、最初は界壁、界床の扱いが分からず、苦労した。結果的にわかったのだが、出回っている外皮計算ソフトのなかでは、共同住宅非対応の物もあって、そもそも界壁などの設定がなかったこと。

ソフトを変えて、無事外皮性能計算を終えた。基本住戸の数だけ一戸建の要領で行うのだが、今回七戸とまだ少なかったから良かったものの、もっと住戸が増えた場合はフロア計算法をおすすめする。

アカデミックにやるべきではないかもしれない意匠設計ですが、ますます強まる省エネルギーの要請を考えればアカデミックな方向にシフトせざるを得ないように思う。マイナスに考えれば自由度が下がると言えるが、あえてプラスに考えて、新しいデザインのきっかけとして捉えたい。ひと昔の大御所建築家のように全面大開口は難しくなるかとしれないが、デザインと十分リンクさせるためにも、省エネルギー計算を安易に外注せず、意匠設計者が主導しておこなうべきだと考える。

I邸中間検査

中間検査を実施しました。

鉄骨造の場合の中間検査は、材料の品質を見るという意味で、書類による検査のウェイトが大きく、

書類だけでも、地盤補強工事報告書、配筋検査報告書、コンクリート配合計画書、コンクリート供試体圧縮強度試験報告書、鋼材検査証明書、溶接社内検査報告書、溶接第三者受入検査報告書、ボルト検査証明書、ブレース検査証明書、監理報告書と盛りだくさん。

今回は井上鉄工さんに鉄骨工事をお願いしましたが、さすがMグレードだけあり、書類もスムーズにそろえていただいた。現場溶接はまだ全数終わらないので、現場溶接検査は全数の30パーセントを後日第三者によって行い、完了検査の時にまとめて報告することとなった。

I邸PJ 鉄骨検査

三鷹にある井上鉄工さんに制作を依頼しています。検査では、主に寸法、板厚、ダイアフラムの角度をチェックしました。 

三次元の複雑な形で、溶接箇所も多いにもかかわらず、きれいに丁寧に作ってくださっています。

誤差は全て3ミリ以下に収まっていました。

建て方は12月予定。立ち上がった後も、現場溶接作業がしばらく続きそうです。中間検査はその後になるか。

I邸PJ

I邸PJが着々と進んでおります。

10月半ばに配筋、RC基礎打設を終えました。

基礎配筋の様子
RC打設後の様子

上部の重量鉄骨造を充分支えられる、頑丈な基礎ができました。

Rhino inside revit

わたしがいちばんよくつかうふたつのツールが遂に合体して使える様になりました。

Rhino inside revit

早速いろいろ実験してみました。

実験として、アダプティブコンポーネントを作成

二本の線を決めてあげれば、パネルが自動で生成するようにします。

こちらの建物の緑の線にパネルを生成していきます。

パネルの骨組みは アダプティブコンポーネント で作っていますが、ルーバーはピッチ等が一緒のため、grasshopper上で生成しています。

ライノ上およびRevit上にリアルタイムに表示され、さらに Add Brep DirectShape に繋げば、レビットにモデルとして書き出されます。

コロナ後初出張 後半

岡山から兵庫の加古川へ。ローカル線で1時間くらいでした。

タカミオカキさんのご依頼を受けまして、新しいおかきづくりのための工場の現場確認に伺いました。

https://takamiokaki.com

場所は加古川を上流に向かって一時間走ったところになるある黒田庄というところ。山と田んぼに囲われ、風光明媚で大変美味しい水が湧き出るそう。山田錦さんの工場も近くにある。

大きな古民家をリノベーションしておかき工場にするわけですが、土壁や土間で作られた古民家と、自然素材を重視するおかきの相性はとてもよさそうなため、なるべく早く古い建材を残しながら、清潔で居心地のいい工場を作りたいと考えています。

コロナ後初出張 前半

今日は久々の出張で岡山。AM11時の打ち合わせですが、7:13品川発ののぞみで無事間に合いました。

メインは施工会社との顔合わせ&見積もり打ち合わせ。コロナでずっと電話とメールのやりとりでしたので、初めての顔合わせ。顔をあわせれば自然と距離が縮まります。

今回はリノベーションのプロジェクトのため、施工会社と一緒に既存建物をまわり、図面と照らし合わせました。

遠かったが有意義な打ち合わせでした。これをきっかけにプロジェクトがスムーズに進み出すことを願います。

午後は施主に美味しいお寿司に連れていただきました。冨士寿しさん。

翌日は役所まわり。外装で木を使う為、耐火性能に影響するかの確認。結論としては主要構造ではないので問題ない、ということでした。これで安心して先にすすめられます。外装で建築面積は増えるが、床面積は増えないので増築には当たらない。

エレベーターを新設するのですが、減築→増築になるとのこと。今回のエレベーターは各階の面積足しても10平米未満のため確認不要ですが、要注意。

ダイナモ

rhinoにgrasshopperというVPL(ビジュライズドプログラミングランゲージ)があるように、revitにはdinamoというVPLがあります。

若干の違いはありますが、grasshopperは実務で使ったり、授業で教えたりしているので、dinamoは無理なく使える印象です。

造形の自動化や、設計プロセスの自動化、効率化に使うイメージですね。dinamoはどちらかというと後者で使う機会が多そうです。

設計とは違う脳の部分を使っている感覚がありますので、気分転換にやっています。

現在ひとつ建築法規の自動判定のお仕事が進行中で、それに取り組んでいます。

解体そろそろ完了

I邸PJの既存住宅の解体はほぼ終わり、お盆明けにいよいよ着工準備と地鎮祭になります。

解体は今回は不要な家具類も、そのまま置いておけば撤去していただけました。(別料金か、そもそも残置してよいのかはその都度要確認)