古民家再生ものがたり

「古民家再生ものがたり」ー降幡廣信  をよむ。

建物は新築か復元という概念しかなかった時世に、再生という概念を持ち込んで実践したものがたり。改修物件が増えていることもあり、勉強を兼ねて楽しく読ませていただいた。

民家の最大の弱点は基礎ということを再認識した。ヒノキは切り倒して二百年目がもっとも強度があり、切り倒したときの強度にもどるのに千年かかると書いてあって、この事実を知ってもらったら、木の強度に対する不安がかなり払しょくできるのではないか、と感じた。

リノベーションは病人を診て救うのに等しいという表現があった。弁護士、医者というプロフェッションに建築が再び仲間入りできると、少し皮肉ですがそう感じた。

この本では施主と巡り合った経緯から、着工に至るプロセスにかなりの分量を割いて書かれているが、読み物として面白くする以上に、リノベーションはまさにこのプロセスが重要なのだなと共感した。

古いものを残して大事に使うことが、施主の信頼にもつながったなど実感をもって納得するお話があった。ただの作る人ではなく、リノベーションして蘇らせるという、救う人のこころの温かみが文章からにじみ出る一冊だった。

無題

朝洗足池、T邸リノベーションのお打ち合わせ。T邸のお庭はきれいに季節の花が咲き誇っていて、いまはボケの花がきれいだった。隣地の桜は遅咲きのせいか見頃だった。

打ち合わせ中町田市役所から連絡があり、A邸の確認申請が下りたとのこと。年度末をまたいでしまったせいで担当の方が変わり、2倍の人数にチェックしてもらって時間もその分かかってしまったようだ。でもこれで一安心。

夜は佐渡ヶ島で活動されている方とお会いした。場所の力、文化の力を尊重し、引き出そうとする活動に共感を覚えた。(追記します)